熱狂の裏側!
『おかやまラーメン博』が巻き起こした10万人動員の軌跡
おかやまラーメン博 座談会

地域に根ざすローカル局の仕事の醍醐味は、企画一つで街を動かし、人々の熱狂を生み出すスケール感です。2006年~2019年の間に計13回開催され、OHKの「キラーコンテンツ」となったイベント『おかやまラーメン博』。 「自分たちが岡山ラーメンを定番にする」という熱い想いから始まったこのイベントは、来場者10万人超を記録し、ゴールデン帯の特別番組となり、地域社会を巻き込むムーブメントを巻き起こしました。 その仕掛け人たちが、裏側を語り尽くします。
※本記事の内容は取材当時のものです。
対談メンバー
おかやまラーメン博の企画立案者×イベント担当×営業担当

- N.T
- 企画立案者
- 担当当時:本社営業部
現:取締役グループビジネス開発局長 
- J.M
- イベント担当
- 担当当時・現:マーケティング戦略部

- Y.T
- 営業担当
- 担当当時:四国支社営業部
現:東京支社営業部
01OHKが「おかやまラーメン博」を始めた理由


- N.T
- 企画
- 私が本社営業部の現場担当だった当時、全国的にラーメンブームが起こっていました。岡山には多くのラーメン店があるのに「これ!」という名物がない。そこで「岡山ラーメンを地域に浸透させたい」という強い想いで、イベントを企画したんです。 テレビ局としてもキラーコンテンツになるはずだと確信して、担当クライアントのコンビニに提案しました。 営業担当でしたが、ラーメン店への出店交渉から、本社営業部のメンバーの協力を得て奔走しましたね。 初回はラーメンをメインにした「でえれえ祭」として33店舗集めて2006年に開催したんですが、多くの店でラーメンが完売しました。
02毎年長蛇の列!イベント「おかやまラーメン博」の爆発力


- N.T
- 企画
- 開催2年目の2007年、会場をコンベックス岡山に変更。 さらに2012年からは一つの会場で「ラーメン博」と「スイーツ&グルメ博」を同時に開催する形にパワーアップさせました。周囲からは「ラーメンとスイーツ&グルメが互いに集客を取り合ってしまうのでは」と懸念の声もありましたが、「絶対人が来る」という自信がありました。結果、スイーツ&グルメ博が大当たり!全国的に話題になっている店舗を県内初誘致したりして、ラーメンとは違う層が来てくれたんです。ラーメンも食べるし、スイーツも食べる。相乗効果で、来場者数は最高で10万人超を記録した年もありました。 これは今でもコンベックス史上、類似催事では破られていない記録です。

- J.M
- イベント
- 私がイベント担当として携わったのは、2011年からです。 あの年は東日本大震災があった年で、イベントにも特別な意味が加わりましたね。

- N.T
- 企画
- その時は震災復興を兼ねて、福島や宮城のラーメン店に来てもらって、出展料や交通費をOHKが負担して実施しました。

- Y.T
- 営業
- 私は2007年に入社して本社営業部に配属されて、大展示場のブース出展の協賛を担当しました。当日はイベントスタッフとして参加して、ラーメン店の列整理の担当ポジションだったんですが、とにかくすごかった。

- J.M
- イベント
- 入社当時から、あの長蛇の列は会社中で話題でしたよ。「街を動かす会社に入れた」と実感できた瞬間でした。

- Y.T
- 営業
- ものすごい集客力で、クライアントからも「OHKといえばこのイベント」と言ってもらえました。 まさにOHKを代表するイベントでしたね。
03イベント後の「行列」と「実現した商品化」


- N.T
- 企画
- イベントの本当の狙いがハマったのは、イベント後でした。普段なかなか行けない県北や笠岡といった岡山市外のラーメン店に、開催後も1~2ヶ月間行列ができていたんです。嬉しかったですね。 また、県外ラーメン店を誘致するようになってからは、岡山のラーメン店には限定ラーメンを作ってもらい、他県のラーメンと差別化を図りました。「美味しかったから次は店に食べに行く」というサイクルが生まれて、岡山県民のラーメンに対するポテンシャルを再認識しましたね。

- J.M
- イベント
- 県内のあらゆる層のお客様が朝から行列を作ってくれて、嬉しかった。 友達からも「今年はどれがおすすめ?」「CM見たよ」と声をかけられて、多くの人が知ってくれていることに誇りを感じました。

- Y.T
- 営業
- イベントが終わった後、実はラーメン博のパンフレットを持って、他の営業部員と全店舗をスタンプラリーのように回っていたのが密かな楽しみでした(笑) お客さんとして完全にハマっていましたね。

- J.M
- イベント
- 分かる!広報活動でCMを作っていると、ついラーメンを食べたくなってくるんですよね(笑)

- N.T
- 企画
- さらに、おかやまラーメン博はイベントだけでは終わりませんでした。2回目以降は製麺会社に協力いただき、コンビニと一緒に、出展店舗の味を再現したカップ麺を開発。 数万食を中四国・近畿の地区で販売しました。 テレビ局は番組を持っている強みがあり、商品化もスムーズに進みました。 時には店主のこだわりが強すぎて発売に間に合わないこともありましたが(笑)、多い時で年に3店舗ペースで商品化し、最終的に5〜6店舗のラーメンを世に出しました。 カップ麺を食べて、お店に足を運ぶという相乗効果も生まれましたね。
04「ラーメンといえばOHK」~社員を動かすイベントの意義


- N.T
- 企画
- 「ラーメンといえばOHK」というイメージは、イベント開始当初から目標にしていましたし、今でも残っています。 イベントと連動して始めた日曜放送のミニ番組「おかやまラーメンOH!援団」は、当時から珍しく視聴率10%を継続して取っていました。 翌日には番組で取り上げたラーメン店に行列ができるというサイクルもできていました。

- J.M
- イベント
- 私は入社後、業務部(現編成業務部)でCMの放送枠の組み立てを担当していたのですが、CMを流せば流すほど人が来る、非常によく考えられた仕組みだと感心しました。 イベント担当者になってからは、会場にステージを組んで自社番組の告知の場を提供したり、新人アナウンサーを起用した広報に挑戦したりと、内部にとっても様々なチャレンジができる場所でした。

- N.T
- 企画
- ステージの魅力向上にはアナウンサーが積極的に協力してくれて、トークショーなどもこのイベントをきっかけに定着しました。 アナウンサーはOHKの大切な財産。クライアントや視聴者からも「アナウンサーの顔と名前が一致するのはOHKが断トツ」と言っていただけるのは、このイベントが醸成した明るいイメージが大きいと思います。

- Y.T
- 営業
- ラーメン博のような大きなイベントが続くと、視聴者から「OHKってイベントが楽しい」「元気なイメージ」を感じてもらえます。 営業としても「OHKって楽しそう、明るそう」と局のイメージを持ってもらえるのは、大きなプラスでしたね。

- N.T
- 企画
- やる意義は様々ありますが、何より、社員が元気になるイベント・番組はやるべきだと思います。 会社全体にとっても大きなプラスになるんです。
05部署を超えた一体感


- N.T
- 企画
- 最初は営業主導でしたが、回を重ねるごとに、社内でイベントをやりたいという人が部署を超えて手伝ってくれるようになりました。 普段業務で話す機会のない社員同士が、イベントを通じて会話できたり、営業の仕事の大変さを知ってもらう機会にもなりました。

- J.M
- イベント
- 当日のスタッフ表を作る際、イベント経験のない社員をあえて班長にしたりしました。 その人に勇気をもって任せきることで、皆が「自分たちのイベント」と思ってくれるんです。 経理担当がチケット裁きをしたり、報道部やシステム技術部がラーメンの列整理をしたり。班ごとに謎の文化が生まれていたのも面白かったですね。

- Y.T
- 営業
- 休憩時間に班のメンバーで「ラーメンを何杯食べられるか」を競うのがお決まりでした(笑)
普段接点のない部署の人と一体になって仕事をするのは楽しかったですし、達成感も格別でした。
06コロナ禍での挑戦と新たな可能性


- Y.T
- 営業
- 2020年にコロナ禍でリアルイベントができなくなりました。 当時四国支社の営業担当だったんですが、本社でラーメン総選挙の番組をやろうという話が上がっていました。 四国に生ラーメン製造に特化したクライアントがいたので、協力を仰いで企画を構想しました。 そして2021年、2022年には、視聴者参加型の特番「おかやまラーメン博グランプリ」の放送に至りました。 岡山県民によるネット投票でNO.1ラーメンを決め、1位のラーメンは商品化して県下のスーパーなどで販売しました。

- N.T
- 企画
- Y.Tさんと一緒にクライアントに提案に行きましたが、先方もラーメン博のことを知ってくれていたので、すぐ乗り気になってくれました。 結果、県民から5,000件以上の投票が集まって盛り上がりましたね。

- Y.T
- 営業
- 商品化から販売までの様子を番組で紹介する企画も喜んでもらえました。 番組は「金バク!」以来初となる火曜日のゴールデン枠での放送でした。

- N.T
- 企画
- ゴールデン枠での放送は社内で反対の声もありましたが、関わった人みんなの強い想いで実現しました。 イベントが番組の形で継続し、商品化まで繋がるという新たな形を生み出せたのは、これまでラーメン博を続けてきた大きな財産だったと思います。